心あたたまる絵本の読み聞かせ

毎月、土曜子ども会の時に若坊守が子供たちに絵本を読んでくれます。

* おまえ うまそうだな *

宮西達也さんの絵と文章で、ポプラ社から出ている絵本の時間シリーズの23巻です。

(あらすじ)
大昔のある晴れた日、たまごからかえった恐竜のアンキロサウルスの赤ちゃんが、「おまえ うまそうだな」とティラノサウルスに食べられそうになった時、「おとうさん」と、アンキロサウルスの赤ちゃんはティラノサウルスにしがみつきました。驚いているティラノサウルスに、アンキロサウルスの赤ちゃんは「おまえ うまそうだなって言ったでしょ。僕の名前ウマソウなんでしょ。名前がわかるってことはお父さんなんでしょ。」そう言うと、アンキロサウルスは「おなか ぺこぺこだよ」と、草を食べ始めました。「お父さんも食べなよ」「僕一杯食べて早くお父さんみたいになりたいな」・・・・・・・
すやすや眠るアンキロサウルスの赤ちゃん「ウマソウ」を見ながら「早くお父さんみたいになりたいな」という言葉を思い出し、こころがズキンと痛みました。次の日起きてみるとウマソウがいません。心配していると山から赤い実をティラノサウルスのために採って来てくれたのです。「ありがとう、ウマソウ。おいしいよ」・・・・・・・
やがて、ティラノサウルスはウマソウにいろんなことを教えました。体当たり。しっぽの使い方。それを見てウマソウは「うわー、すごい。僕も早くお父さんみたいになりたいな。」・・・・・・・
もう教えることのなくなったティラノサウルスは言いました。「もう、教えることがないから、これでお別れだ」 ウマソウは「いやだ」と涙をぽろぽろ流して言いました。ティラノサウルスは「向こうの山まで競争してお前が勝ったら一緒にいてやろう」といいました。ウマソウは後ろも見ないで全速力で走り出しました。「さよならウマソウ」ティラノサウルスは、そうつぶやきました。山の麓にはアンキロサウルスの本当の親がいました。

子どもの無邪気で純真な心に触れて、こちらの心もほぐれ、安らぐものです。憧れをもたれ、お手本を示せるような親になりたいものです。「釈迦(しゃか)弥陀(みだ)は慈悲(じひ)の父母(ぶも) 種々(しゅじゅ)に善(ぜん)功(ぎょう)方便(ほうべん)し われらが無上(むじょう)の信心(しんじん)を 発起(ほっき)せしめたまいけり」(お釈迦様、阿弥陀様は慈悲の父・母であります。さまざまな手立てを尽くして私の救いのもとを差し向けてくださいます。)との親鸞聖人の和讃があります。今の私は慈悲の父母に全託しているかどうか?アンキロサウルスの赤ちゃんのウマソウがティラノサウルスを全託し憧れていたように。