* はじめて 中国 福建省・圓通寺へ伝道の旅 
                   淨教寺 住職 島田和麿

一、本年7月27日から8月1日まで6日間、野瀬瑞黙先生、瑞覚さん、王仁興君と共に(3人は8月10日まで)中国は廈門(アモイ)から入国し、清流県の霊台山・圓通寺に伝道と交流の御縁をいただきました。
瑞黙先生は7月29日から8月8日まで11日間、福州のメンバー30数名と地元の人々に渾身、浄土真宗のみ教えを説法されました。

二、今回の中国伝道の旅の計画は、すでに昨年(05)秋から聞いておりましたが 
去る7月3日

奈良淨教寺住持島田和麿:慈ル
本寺 於二〇〇六年 
古暦七月初 − 公暦七月二十五日開始!
舉般舟三昧共修道場 啓建曁水陸大法會
懇請老和尚 慈悲光臨指導 不勝感聆
圓通寺住持:釋 満明 曁二序大衆頂禮


      圓通寺住持と懇談      7月29日   


上記の文書がとどきました。
公式の大法要の招請の文面です。
瑞覚さんからの要請もあり、私は盆を控えておりましたので、前半の部に参加することにいたしました。

三、関空から廈門に飛び、7月29日、午前9時20分、圓通寺山門に到着いたしました。
すでに50数名の僧侶と大衆が私たち一行を、門前、階段下まで出迎えて下さり、前館の控室ですぐに法衣をととのえ、厳かな入堂の儀に参列いたしました。不肖、人天蓋を冠し、浄土真宗寺院住職として、香港の僧二人と式典に臨み、金堂に於きまして「正信偈」を読誦いたしました。戦後、中国に於いて、浄土真宗が公認され、法要と伝道が許可されたということは、はじめてではないでしょうか。


     人天蓋を冠し入堂     7月29日

   「正信偈」のおつとめ    7月29日


四、圓通寺住持 釋 満明師のおはからいで、6日間の法要が勤修され、別館に於いて、日本から6名、香港から5名、福州(中国、福建省の首都)から30数名の求道の友の寄宿が許され、11日間の説法、研修会が行なわれたのでした。私たちのまかないも大変であったと思います。

五、このような初の勝縁が結ばれましたのは、福建師範大学文学院古典文学研究室、文学博士 劉昆庸師の懇請によるものです。師の周辺ではすでに百数十名の浄土真宗を求める人が居ます。劉先生が野瀬師、圓通寺住持、瑞覚さんを動かしたのです。その底辺には教行信証大系(全七巻)があると感じました。
そのグループ、福州から30数名の若い男女が、11日間の研修に参加しました。猛暑の中、圓通寺まで9時間の道のりです。次々と真剣な質問が飛び出しました。「念佛すれども心穏やかならず」どうすればよろしいか? 「絶えず殺生をして生活しているのですが?」日常のことから、法門について尽きることがありませんでした。
「みなさん、遠隔地からこられ、長期間の聴聞会への参加は大変なことですね。」と話かけましたら、「そんなこと、『おのおの十余ヶ国のさかいを越えて身命をかえりみずしてたずねきたらしめたもう・・・』の歎異抄の第二章のおことばに比べると、どうということはありません」という答えがかえってきました。


     質疑・研究会  7月29日


六、中国の方々は素朴であり、真剣でした。このたびは広大な中国の中の一部の人々との出会いでしたが、各所に寺院があり、大方は佛教徒とみうけられました。澄んだひとみ、敬けんなすがた、暖かい感性、師を尊び、親を大切に、たがいに「アミタフ」(あみだ佛)と言って挨拶を交されます。佛恩、師恩を深く感じた旅でございました。