2019年(令和元年) 11月 法話

仏教国際交流 



           香港・台北のみなさんと淨教寺関係者


                  本堂にて おつとめ


10月14日(月)香港と台湾から浄土真宗のメンバーの方々が淨教寺本堂に参詣されました。香港法雷念仏会メンバー17名、台北法雷念仏会メンバー24名の総勢41名の方たちが午後2時から4時まで日本の法雷会の門徒の皆さんと日ごろの聞法の交流をしました。
その後、瑞翔庵にて稲垣瑞剣先生の資料を見学して京都へ帰られました。

住職より、淨教寺のご縁起の説明、淨教寺時報49号を参考に教化活動の現状報告をいたしました。



         淨教寺 住職より ご挨拶   通訳 黄梅さん(右)


          淨教寺 前住職より ご法話


前住職は、稲垣瑞剣先生に出遇い、ご指導いただいたよろこびを親鸞聖人のご和讃を引いて語られました。
「善知識にあふ(う)ことも  を(お)しふ(う)ることもまたかたし
よくきくこともかたければ  信ずることもなほ(お)かたし」

まったくこのご和讃のとおりで、浄土真宗の教えは、易い簡単なものではありません、世界一難しいものです。だからこそお師匠さま(先生・善知識)がおられなかったら理解することができません。
みなさんも、よき師匠について、日々の研鑽をたゆみなく続けてください。とのお言葉をいただきました。



 台北法雷念佛会 林会長


   香港法雷念佛会 何 住職


その後、香港法雷念仏会・何(ハ)ご住職、台北法雷念仏会・林(リン)会長よりそれぞれのご報告があり、浄土真宗の教えを伝えてくれる指導者の必要性を強調しておられました。

通訳は、王仁興君が築地本願寺に出向していますので、現在本願人国際部で勤務している黄梅(コウバイ)さんにお願いしました。的確に通訳していただき感謝申し上げます。

淨教寺を代表して、3人の方に報告していただきました。一部を紹介いたします。

藤井寿幸さん(22歳から48年間、聴聞を重ねる。その間に『真っ暗がり』の出版の機会を作られる)
お伝えしたい瑞剣先生の言葉(発表の一部)
「佛の智慧と慈悲の世界、即ち「無量光」「無量寿」の世界、即ち「南無阿弥陀仏」の世界である。「南無阿弥陀仏」の世界となれば、摂取光中 弥陀の懐(ふところ)の世界であり、阿弥陀はんが凡夫を「必ず(◎◎)浄土に往生させる」と約束下さっている「若不生者 不取正覚」の世界であり、「佛心 佛力 本願力 本願力

にて往生する」世界である。」



     藤井 寿幸さん


小田原久美子さん(お母様のお腹にいるときから聴聞しておられた。お母様の法語「福智蔵」を出版するご縁をいただく)
発表の一部
瑞剣先生の書簡には「世の多くの人は仏教の尊さを知らず仏法の楽しみを知らず世事を第一にして仏法を学ばんから、却って悲風惨たんたる苦しき人生を送るのである。仏法の中に世法あり、法は重く身命は軽しと心を極めて仏法に精進すると予期せざる余慶があるものです」と、あります。続けて「小生は前世から仏法を聞き仏法を学び仏法を説くために生れて来たものだと思い専心勉学すること茲に八十二年、よい人生を恵んでいただいたものと感謝しております」と、あります。浄土真宗は転迷開悟の御教えで、けっしてこの世の利益を祈る宗教でないことはもちろん皆様もご存知のとおりですが、先生は臆することなく「法の余慶」を述べておられます。「仏法第一 親に孝行 人には親切」と、よく色紙に書いておられました。「この通りにすれば、この世はスーッと行けるんやで。この世が苦しいと思うのは仏法に不熱心やから」と、母は師からよく聞かされたと申してました。



                 小田原 久美子さん


高松典正さん(学生時代から聴聞され、退職後、龍谷大学大学院で瑞剣先生の研究論文をまとめる)
私は、仏教の「和の心」を大切にしながら約30年間小学校の教師として教育に携わってきました。その間に様々な悩みがありましたが、親鸞聖人、瑞剣先生のお言葉が支えになりました。
「仏様と一緒に仕事をしておると思うと仕事が苦にならぬ。・・・私も50年間教育に従事しているが、教育が仏法、仏法が教育で、一日も働いたと思うたことがない」とあり、いつもここを読みながらこのようにありたいと思ったことです。
香港、台北の方々も三名の発表を真剣に聞き入っておられました。
発表内容はごく一部ですのでご希望の方はお申し出ください。



             高松 典正さん


王(オウ) 仁(ジン)興(コウ)君 (本願寺国際部から 東京、築地本願寺へ出向)
2019年10月22日天皇陛下の即位を内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が皇居で行われ、インドからラーム・ナート・コビンド大統領が出席された。前日21日に築地本願寺を参拝され、本願寺ご門主さま、石上総長らが出迎えた折に王君が通訳として重責を果してくれました。



  インド大統領 コビンド夫妻(左)
                               本願寺 石上総長(右)
                    通訳 王 仁興さん(右から2人目)