2011年 9月 今月の法話

福島県 相馬市からのお手紙 

 稲垣瑞剣先生を、こころから尊敬され、お師匠様と仰ぐ福島県の澤田悌二様と宮西久枝様が3月11日の東日本大震災で被災され、澤田様のお家は家財道具が散乱して大変な状態です。また、宮西様ののお家は海岸沿いでしたので津波に流され、何もかも失われ、命だけやっと生きながらえられました。皆様からの義援金・子ども会での手作り作品を送らせていただきました。ここにお礼状を頂戴いたしましたので、時報掲載分の第二弾としてご報告申し上げます。



             会津民芸品  起上り小法師


呼ばれ 呼ばれて 南無阿弥陀仏

震災後間もなく五ヶ月となりますが、いつも折りにふれて、ご憂慮を賜わり、この度は前回に引き続いて、お心のこもった多額の見舞金、貴重なそうめん、そして、子供さんからのお手紙に添えての見舞金、さらに、「夏休み仏教子ども会」での沢山のお子さん方々の手製の「うちわ」、加えて教恩寺の「やなせなな住職」さんの「まけないタオル」等、どれもこれも熱く、復興を願うお心がいっぱいつまった宝物をご恵贈くださいまして、胸が熱くなるのを覚えました。
本当にありがとうございます。

お子さんたちのお写真、合掌童子の絵まで持たれたり、子ども会の様子、作成した「うちわ」の写真等まで添えられてあって、一層の感動を覚えました。本当に、すべてが、住職さんが認めて下さった瑞劔法師さまの「不断に響く弥陀のよび声」にほかなりません。
この度の住職さん、そしてお子さんたちのお心は、私個人のところに留めるに忍びなく思い、相馬市の被災された方々へ届けたいと思いまして、去る8月3日、市の市長秘書室へ参り、係長と会い、事情をお伝えして「見舞金」、「うちわ」、「まけないタオル」を寄託してまいりました。係長も、よく理解していただき、預かって下さって、適切、且有効に役立たせてくださると、市として受納してくださいました。
改めて、市の方から住職さんへご挨拶申し上げたいとのことでした。

相馬市では、3日現在の県のまとめでは、震災による相馬市の死亡者数、454人、行方不明者5人、この死亡者のうち、高校生以下0歳までで、両親または両親の一方を亡くして、孤児となった人数は、48人で、相馬市としては特に、この孤児の方々への援助を配慮しているとのことです。

福島県の被災者の皆さん、私も含めて、「転んだら、何度でも起きる」、そう先祖から言い伝えられております。如来様に包まれている門徒は、転んでも南無阿弥陀仏、起きても南無阿弥陀仏でございます。

思えば淨教寺さんには、前御住職様、御住職様と沢山の宝珠をいただいて、もったいなく、かつありがたい極みでございます。衷心より御礼申し上げます。
いろいろと本当にありがとうございます。

御恩うれし南無阿弥陀仏        
                  合  掌            
 平成23年8月5日        
                   澤田 悌二拝
 淨教寺門信徒の皆様へ


ここは海岸より3キロ離れた高台の「ひまわり畑」です。この下まで津波は来ました。

 
淨教寺子供会の皆さん

毎日とても暑いけど元気で楽しい夏休みをすごしていることと思います。私も皆さん達からのはげましを受けて困難に負けず元気にすごしておりますからご安心ください。 
 このあいだはまたみなさんの心こもる手作りうちわを送ってくださって本当にありがとうございました。一本一本に心がこもっていてはげましの言葉が書かれてあり、力をいただきました。三本をいただいてあとは全部被災地の障害者施設へ送りました。とてもよろこんでくれました。私からお礼をいってくださいといわれましたのでかわって「ありがとう」とかかせていただきました。

 津波や原発事故のことを思い出すとまるで悪い夢のようです。今はそれなりにみんななんとかおちつきをとりもどしつつがんばろう立ち上がりつつあります。食べ物も元のようにおいしい物をいただくことができます。
 災害の時は避難場所などでは、一日にパン1個とかおにぎり1個とかでしのいでいたのです。だから皆食べもののありがたさがわかりました。以前はあたりまえのように食べていたものが、今は「ありがとうございます。おかげさま。とてもおいしかったです。」という心でいただくようになりました。

 好き嫌いをしたり、わがままをいったりしないようにしなければなりませんね。何でも食べて元気に育ってほしいと思います。
 今でもソマリアの子供達は食べものがなくて毎日毎日沢山のおさない命が亡くなっていると聞きます。そのような人たちを世界中の人たちで助けてあげることはできないのかと考えます。 
 
 今、こちらでは放射能の事が大きな問題になっています。子供達も外でのびのび活動できない所が多いのです。電機についてもこれからはぜいたくに使いすぎないようにして自然エネルギーにかえていったらよいと私は思います。子供会で話し合ってみてください。

 何だかとても皆さんにお会いしたくなってしまいました。皆さんがとてもよい子達だと思うからです。
み仏さまをおがむ子はみんなよい子にきまっています。私もみなさんと一緒にお参りし楽しい話し合いに参加できたらどんなにうれしいだろうなと夢みたいな事を考えてしまいます。

 では皆さん今日はこれで。  またお便りくださいね
ありがとう ありがとう  南無阿弥陀仏     合 掌

平成23年8月14日       
               宮西 久枝より
淨教寺子供会の皆様へ



8月7日8日 淨教寺燈花会 法燈会


  お手伝いいただいたみなさん