2019年(令和元年) 7月 法話



  語りだす奈良 118の物語


 語りだす奈良 ふたたび

淨教寺 関連本 3冊 紹介 

淨教寺のことを取り上げていただいた関連本が出版されていますので、ご紹介いたします。

一冊目は、
『語りだす奈良 118の物語』という西山厚先生のご本です。この本の「おわりに」は、

「奈良にはたくさんの物語がある。悩み苦しみ、傷つき悲しみながらも、精一杯の人生を送った人々が生み出した物語。聖武天皇の苦しみが大仏を生み、光明皇后の悲しみが正倉院宝物を生んだ。幼くして母を亡くした鎌倉時代の叡尊は、その悲しみを力に変えた。苦しみや悲しみからしか生まれてこないものがある。苦しみや悲しみが、やがてやすらぎや大きな喜びを生みだしていく不思議。
歴史は終わってしまったものではない。過ぎ去ってはいない。今につながり、私につながり、明日につながっていく。だから奈良は古くて新しい。奈良の物語を語ろう。奈良から物語ろう。」

とこの本の趣旨を語っておられます。

西山厚先生は、2010年の平城遷都1300年の折に、奈良の寺社仏閣にゆかりの人物をクローズアップし、紹介していくという企画をされました。その中で、淨教寺本堂で今から130年前の明治21年(1888年)6月5日に「奈良の諸君に告ぐ」という講演をされたアーネスト・フェノロサと通訳の岡倉天心についてお話をいただきました。そのことに触れてお書きいただいたのが一冊目のご本です。165ページに「フェノロサと奈良」という表題で書いていただいています。

二冊目は、
『語りだす奈良 ふたたび』という、やはり西山厚先生のご本です。一冊目の第2弾のご本です。102ページに「浄教寺」という表題で、昭和11年に焼失した本堂再建の苦労、設計者・岸熊吉氏のことなどを書いていただいております。

「奈良が、もっと好きになる」「あなたの心にあかりを灯す、たからもののような奈良の物語」と附箋に書かれています。
ぜひ手に取ってお読みいただきたいご本です。

最後の一冊は、
『お寺参りが楽しくなる 奈良百寺巡礼』というご本です。40ページに「淨教寺 フェノロサも見たソテツの巨樹」という題で見開き2ページに簡潔にお寺の紹介がされています。

「奈良市・大和高原」「生駒・斑鳩」「大和郡山・磯城」「天理・桜井」「宇陀」「橿原・明日香」「葛城・香芝・御所」「五條・吉野」「京都府南部」とエリアに分けて百ヶ寺を見開き2ページで紹介されています。「まえがき」には、「最近気になるのは、ご朱印をいただくことや仏像を拝観することに一生懸命で、お寺が信仰の場であることを忘れているのでは、ということです。お寺をお参りしたときには、まずはご本尊や仏さまに手を合わせるところから始めていただきたい、お寺の門を出るときも、一礼してお別れしていただきたいと思います。そうすることで皆さんの心構えも、少し違ったものになると思います。」と書かれています。

奈良の寺院を知っていただく入門書として最適なご本だと思います。
ぜひ、この3冊の本を片手に奈良を散策し、奈良の素晴らしさを発見して下さい。




  奈良百寺巡礼


今年初めて開花した 蓮  6月23日